シザー・ハンズ (1990/ティム・バートン)

[,w400]

伝統的なハリウッドのB級映画を90年代に蘇らせたような快作である。
冒頭とエンディングに挿入される現在?のウィノナ・ライダーの老けメイクだけでなく、本編のどこか間の抜けた人物造形もB級的だ。
おそらくは50年代のサンベルトを舞台とした、雪とは無縁の土地のクリスマス映画。いまではクリスマス映画の定番となっている。
『孤独な群集』(リースマン)で描写されたような、"他人指向型"の郊外を舞台とした不寛容さを指摘するのは、図式的すぎるだろう。
"他者"を排除する力学が、特にキムの家では決定的に欠けている。この温かさは、いまのアメリカにも残っているだろうか。